タイで大きなトカゲを追う日々

人々の足元をミズオオトカゲが横切る。よく見かける光景です。


 日本モンキーセンターで働く私ですが、爬虫類学や科学コミュニケーションを専門としています。その関係で2016年11月に約1か月、タイの首都バンコクに行ってきました。目的は、ミズオオトカゲの調査です。このトカゲは、全長2メートルを超す大型の爬虫類で、コモドオオトカゲ、ハナブトオオトカゲに次ぐ大きさを誇ります。その名の通り、水辺の環境を好み、肉食性です。
 バンコクは、人口800万人を超す大都会ですが、この大都会の公園にミズオオトカゲが数多く暮らしています。街中の公園ではありますが、人々の残飯に加え、ハトや魚類など、トカゲの餌は意外なほど豊富にあります。また、タイ国民の仏教精神に守られ迫害などはされていません。トカゲの意外なシティライフと、タイ人と野生動物との距離感に数多くの発見がありました。
 なお、上記調査内容は、NHKダーウィンが来た!第498回「潜入!大都会のトカゲ王国」で放送されました。また、渡航費等はNHKエンタープライズから出資いただきました。御礼申し上げます。
(学術部 キュレーター  大渕 希郷)

筆者(左)とタイ人研究者Rujira Mahaprom氏。ミズオオトカゲの捕獲等にはタイ王国の許可が必要です。



2017年4月1日更新
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