驚きの行動!ヤクニホンザルの知能の高さを垣間見た
モンキーセンターでは、モンキーバレイと呼ばれる飼育施設で約160頭のヤクニホンザルを飼育しています。この群れのごく一部で、フェンスの隙間から放飼場外にあるエサを枝で寄せる「枝使い行動」をする個体がいます。

ニホンザルが枝を道具として使用する行動は、野生・ 飼育下のどちらともほとんど報告例がなく、とても珍しい行動です。枝使い行動は複数の個体に広がる“文化的行動” ではないかと考えていますが、枝使いを超える行動が新たに観察されました。2016年12月19日、ヒトツバタゴというメス(当時4歳)が、池の底に沈んでいるサツマイモを枝で拾い上げたのです。

もともと、枝使い行動をする個体でしたが、枝使いを応用し、池の底のエサを取ったのはヒトツバタゴだけです。 私はこの件で改めて、ヤクニホンザルの知能の高さを感じ、驚きました。

現在、枝使い行動の観察記録をつけており、行動の特性や他個体に伝播しているかなどを調べています。今後新たに判明したことは、また、みなさんにお伝えしていきます。
(附属動物園部 北園担当  山田 将也)
2017年6月20日更新
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