パンダのこども?
6月13日の午前10時ごろ、休日だった私は『上野動物園でジャイアントパンダのこどもが昨日誕生しました!』とテレビで報道されているのを見ていました。するとその直後、坂口主任から「赤ちゃんうまれました〜!」と写真付きで連絡が。

タイムリーな話題だったので「パンダ!?」と一瞬頭をよぎりましたが、写真の背景は見慣れた光景。これはエリマキキツネザル!衝撃と喜びでいっぱいでしたが、心配されたのは、母親がクミンであることです。クミンの母親はクミンの面倒をみなかったため、クミンはやむなく飼育員によって育てられました。そのため、エリマキキツネザルに育てられた経験もないし、子育てをみた経験もありません。2014年に一度、出産をしたことがありましたが、うまく育てられず、残念ながらこどもは亡くなってしまいました。

スタッフの心配をよそに、今回のクミンはこどもを大事そうにずっと抱えています。翌日、ちょこっと顔を覗かせたり、もぞもぞと動いていることから、こどもは生きている様子です。でも、クミンのガードが堅く、授乳する様子は確認できません。授乳できていれば3日間は生きられる…

そして3日後、こどもの元気な様子が確認できました!

こどものことが大事で、スタッフにすら心を許してくれないクミンですが、こどもはすくすくと成長し、今では丸太の上を移動できるほどになりました。

こどもの成長とともに、クミンの母親としての成長も一緒に見守っていきましょう!
(附属動物園部 Waoランド・マダガスカル館担当  田中 ちぐさ)


2017年7月9日 追記
※残念ながら、エリマキキツネザルの赤ちゃんは、7月6日に肺炎により死亡いたしました。
成長を見守ってくださった皆様には心より感謝いたします。
参照:飼育員のブログ「飼育の部屋」

2017年7月9日更新
関連キーワード:動物園、かわいい、マダガスカル