はじめてのこども

飼育員として初めての担当動物の出産は,ボンネットモンキーの『アンニン』でした。 5月にアジア館を引き継いだ時には、既にお腹が大きかったアンニン(9歳)。 引き継ぎの時点では、星野さんから「まだ産まれなさそうだね」とのお話でしたが、サルの妊娠は初見だったため、「一人で作業している時に産まれたらどうしよう」と不安でした。

話は変わりますが、アジア館には3月22日に産まれたボンネットモンキーのこどもがいます。 産まれて2ヶ月で母親の『ショウ』以外の個体にも抱かれるようになり、3ヶ月には1頭で大きな餌を持って走り回るようになりました。 その元気さと母親の『ショウ』の名前からとり、『ショウグン』と名付けました。これが6月24日の夜の出来事でした。

あくる日の6月25日。昼餌を与えて個体確認をしながら公式ブログ「飼育の部屋」にショウグンの報告をしようと写真を撮っていたときの事です。 アンニンが小さいこどもを抱いていました。「ショウグンがまた違う個体に抱かれているな」と見ていたのですが、いつもよりおでこが広いしどうもおかしい。 疑問を浮かべながら写真を撮っていると、視界の隅にメロンを持って走っているショウグンがいるではないですか。



どうやら昼の間に出産したようでした。しかもアンニンは、初産なのにこちらが気づかないくらいにしっかりとこどもを抱き、授乳をしていました。 こどもが他の個体に取られないか心配でしたがそれもありませんでした。そして今では、たまにショウグンと遊んでいる姿も見られます。 そして、ショウグンに負けないくらいたくましくなって欲しい思いから『アラシ』と名づけました。 このボンネットモンキーのこどもたちの成長を皆さんと一緒に見守っていきたいと思います。
(附属動物園部 アジア館担当 舟橋 昴)


2017年8月5日更新
関連キーワード:動物園、かわいい、アジア