【特集】日本モンキーセンターの活動に科学コミュニケーションの導入を目指して~「丸の内キッズジャンボリー2017」参加を例に~
 2017年8月15日~8月17日まで、東京都・有楽町にある国際フォーラムにて、「丸の内キッズジャンボリー2017」が開催されました。今年も、本イベントに、京都大学 霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院からブース「世界一周!どうぶつ調査隊!」を出展しました。同リーディング大学院では、博物館・動物園・水族館で活躍するキュレーター(博士学芸員)の育成も目指しています。その実践の場である日本モンキーセンターも、同ブース内に展示をおこないました。
京大教員とモンキセンターキュレーターを兼任する大渕は、自身のオオトカゲ研究についても対話。
 本イベントでは、大学院生や教員の研究活動、モンキーセンターの博物館活動について展示やワークショップをおこないました。展示もただ展示するのではなく、展示物を介して来場者のみなさまと研究内容について対話するという手法を取らせていただきました。これを科学コミュニケーションと呼びます(※)。例えば、モンキーセンター展示では、「動物園は何のためにあるの?」というテーマで来場者と対話しました。改めて問われると、老若男女問わず、戸惑っていましたが、「動物をみるための施設」「触るための施設」という答えが圧倒的に多かったです。では、みたり触ったりするためだけに野生動物を動物園に導入してもよいのか?と問うと、「だめ」と答えます。でも、やっぱり野生動物はみたいわけですから、「そのためにどうしたらよいですか?」と問うと、「動物園も自然を守っていかないといけない」という答えが得られました。今回の対話体験を通じて、帰られたあとも野生動物の現状や未来について、より具体的に考えてくれれば科学コミュニケーションも大成功です。
(右写真:京大教員とモンキセンターキュレーターを兼任する大渕は、自身のオオトカゲ研究についても対話。)
大学院生による「どうぶつモノマネ実習」。
11月25日(土)26日(日)には、長野県松本市にて「岳都・松本 山岳フォーラム」が開催されます(リンクは昨年度の様子です)。こちらでも、京都大学 霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院と協力してブースを出す予定です。ご興味ご関心のある方はぜひご来場ください!

※京都大学は、日本科学未来館と学術交流協定を結んでおります。私はその一環で、日本科学未来館より京都大学へ転籍して参りました。科学コミュニケーションや科学コミュニケーターについてはこちらをご参照ください。

(左写真:大学院生による「どうぶつモノマネ実習」)
 学術部 キュレーター
(京都大学 野生動物研究センター 特定助教)
大渕希郷
2017年9月15日更新
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