ロリスの同居
南米館に併設されているスローロリス保全センターという施設があるのはご存知ですか?現在そこでは、14頭のレッサースローロリスがくらしています。最近、ある2頭のロリスの同居がおこなわれました。

その2頭とはミズキとナンテンという個体です。

いきなり同居というわけにはいきません。相性が悪いと喧嘩が起こってしまいます。それに加えてロリスは単独で生活をしている動物といわれています 。しかし、縄張りが被っている場合もあり、個体間でコミュニケーションをとっているのではないかということが近年言われるようになりました。そのため、ここでは複数のロリスの同居に取り組んでいます。

ということでケージとケージの隙間を開けてのお見合い、網越しのお見合いと段階を踏んでから同居となります。

そうして運命の9月12日。同居させる日がやってきました!何も起きないでくれと祈りながら、別の作業をしていました。


そうして入っていた一報が



「グルーミング!!!」


「ナンテンからミズキ!」



というものでした。
グルーミングはサルの社会において良好な関係を築く上で重要な社会的行動のひとつです。つまり、仲が悪いとこのような行動は見られません。この連絡があった瞬間、一安心しました。これからも仲良く過ごしてね!そんな飼育員の願いと共に今後も観察を続けていきたいと思います。
(附属動物園部 南米館、ロリス保全センター担当  土性亮賀)
2017年9月20日更新
関連キーワード:動物園、ロリス、保全