ゴンベ国立公園でシロアリ釣りをするチンパンジーに逢えました
「タンザニア生息地研修」
先月、タンザニア生息地研修の機会を得てゴンベ国立公園とルアハ国立公園を訪れました。 ゴンベでは、チンパンジー、アヌビスヒヒ、ブルーモンキー、アカオザルなどを、 ルアハではライオン、ゾウ、キリン、シマウマ、カバ、バッファロー、インパラなどの代表的な哺乳類をはじめ 鳥類、爬虫類までたくさんの野生動物に出会うことができました。 本稿では、前半のゴンベを中心にチンパンジーの活き活きとした姿を、ビデオ映像を添えてご報告します。
「チンパンジー・トレッキング」
日程は9月13日(水)から22日(金)までの10日間。 移動時間が長く、ゴンベに着いたのは日本を発って3日目の15日(金)の夕方です。 翌16日と17日午前中の1日半が「チンパンジー・トレッキング」に充てられた時間となります。 身体は疲れているのですが、やっとチンパンジーに逢えるという期待感でよく眠ることができませんでした。 朝食もそこそこに準備体操をして身体をほぐし、出発を待ちます。 ガイドから感染症予防のマスクを渡され、マナーや注意事項を聞いてスタートしました。
「シロアリ釣りをするチンパンジー」
トレッキング1日目は、タンガニーカ湖を右に見ながら南へと移動しました。 トレッキングコースと一部湖岸を歩くルートを歩くこと2時間半、最初のチンパンジーに出逢いまし た。 移動するチンパンジーを追ってさらに歩いて彼らの休息場所でわれわれもやっと一息です。 ガイドから大きな木の根元にアリ塚があるのを教えてもらいましたので、 もしかして本物のシロアリ釣りが見えるのかと、妄想が膨らみます。
シロアリ釣りをするチンパンジーは、突然小枝を口にくわえてやってきました。 お尻に白い毛が残る5歳くらいのチンパンジーです。 若くても器用に巣穴に枝を突っ込み、シロアリを釣っています。 釣ったシロアリは、枝を持つ反対側の前腕部に載せ替えたのち、目視してから食べるということを初めて見ました。 アリ釣り棒を作る瞬間も見ることができました。「道具使用」の原点です。 たまたまですが、正面を向いた姿で小枝から葉を落とす様子を捉えることができたのはラッキーでした。
「トレッキング2日目は山野行」
2日目はレストハウス近くに20頭の群れを見に行きました。 このルートは1日目と違ってトレッキングコースから外れ、山有り、谷有り、滝有りの山野行となりました。 蔓を握り、足下を確かめ、ガイドにも身体を支えてもらいながら一歩一歩の難行苦行でしたが、 間近をチンパンジーの母子がすり抜けカメラのファインダーごしに目が合った時には鳥肌 が立ちました。
*本研修は京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院の支援を受けて実施されました。 この場を借りて感謝申し上げます。
(附属動物園部 木村 直人)
2017年10月15日更新
関連キーワード:生息地研修、アフリカ、チンパンジー
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