動物病院も変わってきています!

2014年4月に公益化して以来、「変わった!(おそらく、お褒めの言葉として)」と言われることが多いモンキーセンターですが、私が飼育担当しているバックヤードにある「動物病院」も着実に変わってきています。




写真に写っている機材はすべて、公益化後から今日までに新しくしたもの、もしくは新規導入したものです。 「吸入麻酔器」の導入により、注射による麻酔の追加なしで長時間の麻酔が可能となり、 以前より負担が少ない状態で検査・治療ができるようになりました。 術中は「生体情報モニター」で心拍数や体温、血圧などをモニターすることができます。

「超音波スケーラー」の導入により、本格的な歯の治療が可能となりました。 口内疾患が多くみられたスローロリスでは、定期健診の結果、全頭において状態の改善が見られています。 あわせて、「アスピレーター(吸引器)」も導入されました。 普段は歯科検診の際、唾液を吸うために使用していますが、 つい最近、肺出血を起こしたヤクニホンザルを救う際にも大活躍しました。 内臓の状態の診断や妊娠の診断には「エコー」も使われます。

病院の設備充実により、確実に救える命が増えていることを実感しています。 闘争によるケガや、若くして病気で動物病院を訪れるサルたちをケアし、 群れに戻れる日がくることに喜びを感じ、仕事の糧としています。

一方で、設備でどうすることもできない状況にある死を避けられない病気をともなったサルや、 長寿により身体の弱ったサルの残りの人生(サル生)を考える場面に接することは今後もあるでしょう。 彼らのために自分が何をすべきか、何ができるのかを考えることは、 動物病院での飼育担当をする限り、永遠の課題となりそうです。
(附属動物園部 バックヤード担当 鏡味 芳宏)

2017年10月20日更新
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