唐突ですが、ご容赦ください
チンパンジーがチンパンジーらしく、群れの中で泣いたり笑ったりできるようにと始まった群れづくりも、早2年半が過ぎました。
群れづくりは基本的に1対1で共に過ごす練習から始め、徐々にメンバーを増やしていきます。つまり最初にマリリンとマルコ、次はマリリンとフジコ、さらにフジコとマルコという組み合わせを経て、マリリン・マルコ・フジコというグループをつくる、という要領です。
実際は個体の性格なども考慮して、手順を省略することもあります。私は2年目からの参加でしたが、そこからでも今日までに12通り、全期間では16通りの組み合わせが実施されました。
群れづくりが始まる前は、良くも悪くも”平穏”に暮らしていた彼らに、次から次へとこれだけの変化が訪れたのです。
ぼーっとなんかしていられません。
新しい局面に立たされる度に、彼らはきっと頭をフル回転して臨んだことでしょう。

結果、群れづくりが進めば進むほど、彼らの新しい一面がどんどん見えてきました。
たとえば、当初社会性が低いとされていたマリリンは、実は社会的なバランス感覚が抜群で、「マリリン無くしてこの群れづくりは実現しなかった」と言われるまでにその能力を発揮しました。
気難しい頑固ばぁさんのフジコは、あれだけ鬱陶しがっていたマモルのお守りをするようになり、荒くれ者だったツトムもいろいろと揉まれる中でだいぶまるくなり、つい最近フジコと同居できるようになりました。


ツトム(左)のうしろを歩くフジコ(右)。ふたりの同居の様子は本邦初公開。
ここまで決して順風満帆ではありませんでしたが、彼らのこうした姿を見るとやってきてよかったと思えますし、純粋に彼らの潜在能力に驚かされます。
そんな彼らのすごい姿をもっと伝えたい。チンパンジーの魅力をもっと伝えたい。
そうして企画されたのが、チンパンジーフェスティバルです!・・・・そうです、宣伝です!
今年の5月開催予定!1か月間チンパンジーづくし!
チンパンジーの魅力を全力でお伝えしますので、ぜひご参加ください♪

(附属動物園部 藤森 唯)
2018年4月6日更新
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