カエルの子はカエル?
日本モンキーセンターでは現在5頭(オス1頭、メス4頭)のアビシニアコロブスが飼育されており、その中には2頭のコドモ、イロハ(3歳、メス)とレナ(2歳、メス)がいます。この2頭はすでにオトナと同じ体色をしていますが、生まれてしばらくは全身の毛が真っ白でした。

(左:イエロー、右:イロハ)

そして、コドモの体色が異なるのは、母親以外のメス個体がコドモの世話をするアロマザリングという行動と関係があるのではないかと言われています。

実際に、イロハとレナにもアロマザリングが見られましたが、母親の性格の違いからか、その様子には違いがありました。イロハの母親イエローの育児は放任主義、イロハが何をしようとどこ吹く風。いざというとき以外は手を出しません。一方、レナの母親レモンの育児は過保護、レナの近くには大抵レモンがいました。育児方法の違いもあり、イロハの場合にはアロマザリングがよく見られましたが、レナの場合はアロマザリングがほとんど見られませんでした。こうした子育ての違いなのか、はたまた母親の性格を受け継いでいるのか、2頭の性格はイロハが自由奔放でやんちゃなのに対し、レナは少し控えめと対照的。ただ、最近はイロハに触発されてか、レナもやんちゃになってきています。

コロブス類においてアロマザリングが見られない子育ては珍しいそうで、レモンの子育ては変わっているのかもしれません。親子の関係にも目を向けると、新たな発見があるかもしれませんね。
(附属動物園部 アフリカ館担当  奥村 太基)
2018年5月5日更新
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