レンネット、Waoランドminiへ
2014年3月にレンネットはWaoランドで産まれました。すくすくと育っていましたが、生後約6か月に両目が白濁する病状が見られました。それからは、群れから隔離して治療、回復、群れへの合流、再発、隔離、治療と繰り返していました。

2017年3月、明らかな視力の低下と、目が赤くなる病状が現れ、右眼が肉芽腫性角膜炎と判明したため、右眼球を摘出することになりました。摘出した右眼を検査に出した結果、肉腫と判断されました。残された左眼の回復を祈り、抗がん剤による治療をおこないました。複数回にわたる治療の甲斐あって、明かりに少しずつ反応するまでに回復しました。

2018年4月からはWaoランドminiの群れと暮らす取り組みを始めました。Waoランドminiには、老齢個体を中心に5頭のワオキツネザルがいます。一緒に暮らせるよう、徐々に一歩一歩、進めています。

現在、レンネットはWaoランドmini内を自分の感覚で歩き、他個体と一緒に食事をしています。フェンスの一番高いところに登って、振り向いて擬木にジャンプしてつかまります。落っこちないかと、見ているこちらがヒヤヒヤしたりもしましたが、メスの個体が、レンネットを毛繕いしている姿なども観察できました。まだまだ群れ調整など必要ですが、彼にとって何が一番大切で、私たちは何をすべきかを常に考え、今後も細心の注意を払い、取り組みを進めて行きます。

(附属動物園部 Waoランド・Waoランドmini担当  
坂口 真悟)
2018年6月5日更新
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