あわせて365歳
日本モンキーセンターのホームページにも記載されておりますが、2018年10月よりアジア館でカニクイザルが見られるようになりました。カニクイザルは、東南アジアに棲んでおり、直訳するとcrab-eating macaqueと呼ばれるサルです。crab-eatingとあるように、泳いで甲殻類も食べますが、基本は果実食であり、アジア館でものんびりとパイナップルを頬張っている姿を見ることができます。

アジア館に暮らしているカニクイザルは、上の37歳のツゴから下の16歳のゴムまで合計365歳(2019年3月現在)の15頭が暮らしております。中でもツゴは、日本モンキーセンターのニホンザルの仲間(マカク)では1番高齢であり、少し顔が赤いのが特徴です。腰は曲がっておりますが、群れの中では決して弱くなく、自分より若い個体を追い回そうとしている姿も見ることができます。


スポットガイドのときに「37歳です」というと「ヒトで言うと何歳ですか」と聞かれることがあります。ヒトとは全く別の種なので当てはめることが非常に難しいのですが、獣医に相談したところ、性成熟年齢を基準として、実年齢と比較することで大まかな計算ができると教えていただきました。すなわち、『サルの年齢÷サルの性成熟年齢=ヒトに換算した年齢÷ヒトの性成熟年齢』で概算できるので、ヒトの年齢に換算するためには、『サルの年齢÷サルの性成熟年齢×ヒトの性成熟年齢』を計算すれば、おおまかな数字を得ることができます。例えばヒトでは、12~14歳で性成熟に達するとします。カニクイザルは3~4歳で性成熟に達するので、37歳のツゴは37÷4×14≒130となり、かなりの高齢個体であることが推定されます。

アジア館のカニクイザルは、今回お話をした「ツゴ」だけでなく、2番目の「モズク」が33歳、3番目の「ツムギ」が32歳と高齢個体が沢山おり、喧嘩もほとんどないのんびりとした時間が流れております。詳しい見分けかたは、公式ブログ「飼育の部屋」をご覧になった上で、アジア館まで足を運んでみてください。

(附属動物園部 アジア館担当  舟橋 昂)

2019年3月27日更新
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