アフリカ館の苦労話
飼育の部屋をご覧の皆さんはもうお気づきでしょうが、7月中旬に部署変更があり 、私は、マーモセットやクモザル、リスザルのいる南米館・リスザルの島からマントヒヒやパタスモンキーのいるアフリカ館に担当が変わりました。

南米館とはサルの体の大きさなど生物としての特徴だけでなく、建物の構造とかも全然違います。たとえば、サルの寝室と運動場を分けているものも南米館のように全員が入ったかがわかりづらい物ではなく、頭の上の通路を通ってサルが行き来する形になっています。こういった設備を使い慣れる所から始めないと!と気合いを入れていますが、もう一つ大変なことが…。

それが掃除のときです。掃除する際にはサルを移動させ、サルがいなくなった部屋を掃除しています。その移動で苦戦しているんです。とくにバーバリーマカク。

現在、バーバリーマカクは4頭の群れと3頭の群れ、そして12頭の群れの3つに分かれています。この中でも12頭の群れが一番苦戦しているところです。

当然、12頭も居るので色々な性格の個体がいます。動きの遅いおばあちゃん(チェン)がいて、わんぱくなコドモたちもいて、中には移動の時に『私、入りますよ』という風に近づいてきては寝室の扉の前で立ち止まって動かない個体もいます。

そしてその12頭の中でも大変なのがサモハンとジェットです。この2頭は群れの中で順位が低く、他のオスたちを怖がっているため、日中はよく寝室に居たりします。夕ご飯の時に寝室にみんなが入ってくるタイミングで、運動場に出るともう大変。サル対ヒトの心理合戦の始まりです。

順位の高いオスが寝室に居ると入るのを嫌がるので、一度全員を寝室から出して寝室に2 頭を呼んでみたり、その状態で扉の片側だけ閉めて通路に逃げ込んできたところで1頭ず つ入れてみたり、寝室の中が見えないように扉を片方閉めた状態で怖いオスたちいないよと呼んでみたり…。色々工夫してようやく全頭入った頃には結構な時間が経っていることもしばしばあります。

前担当の辻内さんなどは、この2頭が出てしまう前にすんなりと群れの個体をコントロー ルしていました。アフリカ館の登竜門、恐るべし…! 私も早く辻内さんみたいにサルたちをすんなりとコントロールできるように頑張っていきたいと思います!

(附属動物園部 アフリカ館担当  土性 亮賀)

2019年9月25日更新
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