フクロテナガザルのキウイが平川動物公園へ旅立ちました!
2019年11月10日にフクロテナガザルのキウイ(♂)が、鹿児島県にある平川動物公園へ婿入りするために旅立ちました。キウイは父アボと母リンダとの間に生まれた仔で、2018年7月までビッグループと呼ばれる施設で、両親やパパイヤ、ライチ、スイカの3頭の弟たちと一緒に家族でくらしていました。
わたしがキウイと初めて出会ったのは、もう9年近く前になります。出会ったころのキウイは、一緒に暮らしていた兄のドリアンと取っ組み合いのレスリング遊びをしたり、父のアボの鳴き声を真似て鳴いたりと、元気な仔でした。ドリアンが家族から離れたあとは、生まれて間もないパパイヤの面倒を一生懸命見るやさしいお兄ちゃんだったのをよく覚えています。
しばらくしてから弟のライチとスイカが生まれ、家族も増えていきました。この頃のキウイは弟たちの面倒の見るのが大変そうでした。2頭の弟を相手にレスリング遊びを代わる代わるする一方で、弟たちにエサを横取りされることもありました。それでもほとんど怒ることはなく、いつもやさしいお兄ちゃんでした。わたしはそんなやさしいキウイの姿に感心し、この家族がいつまでも仲良く一緒に過ごしてほしいと思っていました。
しばらくしてから弟のライチとスイカが生まれ、家族も増えていきました。この頃のキウイは弟たちの面倒の見るのが大変そうでした。2頭の弟を相手にレスリング遊びを代わる代わるする一方で、弟たちにエサを横取りされることもありました。それでもほとんど怒ることはなく、いつもやさしいお兄ちゃんでした。わたしはそんなやさしいキウイの姿に感心し、この家族がいつまでも仲良く一緒に過ごしてほしいと思っていました。
しかし、キウイが父であるアボと変わらない大きさまで成長すると、家族との関係に少しずつ変化が見られるようになってきました。そして2018年7月、ついに決定的なことが起きました。キウイが家族から完全に距離をとるようになり、家族と一緒に居たがらなくなってしまったのです。
キウイと家族の関係を修復させるために、いろいろなことを試みましたがどうしてもうまくいかず、やむを得ずキウイを家族と離してバックヤードで単独飼育することにしたのです。本来、テナガザルはオスもメスも大きくなったら親元から離れ、他の集団出身の異性と新しい集団を作る習性をもっています。いつまでも家族仲良く一緒に過ごしてほしいというのはわたしの勝手な願いなのです。そこで、キウイが新しい集団を作って幸せにくらしていけるように、他の動物園に引っ越しさせる方法を考えることにしました。
キウイはバックヤードに移動した後、しばらくは元気がありませんでした。やはり、一人になって寂しかったのだと思います。キウイが早く元気を取り戻せるように、飼育スタッフは定期的に会いにいって声をかけたり、かまったりしました。そんな相手をしていくうちに、キウイはしだいに以前のような元気をとりもどし、わたしはホッとしたのです。そして、平川動物公園がキウイを婿として迎え入れるという話が決まり、2019年11月10日に無事旅立つことができました。旅立ちの日、キウイはいつもと変わらず元気な姿で旅立っていきました。
キウイはバックヤードに移動した後、しばらくは元気がありませんでした。やはり、一人になって寂しかったのだと思います。キウイが早く元気を取り戻せるように、飼育スタッフは定期的に会いにいって声をかけたり、かまったりしました。そんな相手をしていくうちに、キウイはしだいに以前のような元気をとりもどし、わたしはホッとしたのです。そして、平川動物公園がキウイを婿として迎え入れるという話が決まり、2019年11月10日に無事旅立つことができました。旅立ちの日、キウイはいつもと変わらず元気な姿で旅立っていきました。
キウイは、とてもやさしく面倒見が良い子です。婿入り先の平川動物公園でも、優しい旦那として新たなパートナーと幸せな家庭を築いてくれると信じています。落ち着いたら、さらに成長したキウイに会いに平川動物公園に足を運びたいと思います。
(附属動物園部 バックヤード担当 山田 将也)
2019年11月29日更新
関連キーワード:動物園、東南アジア、旅立ち
(附属動物園部 バックヤード担当 山田 将也)
2019年11月29日更新
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