初発見! 真冬の山の中、ドローンで見つけたニホンザル
以下のページでもご紹介していますが、2019年1月から野生ニホンザルの調査をはじめました。場所は新潟県妙高市の笹ヶ峰地域。標高はなんと約1,300m。冬は雪に閉ざされるこの地域には、いままでニホンザルは生息していないと思われていましたが、最近になって目撃されるように。彼らは冬、どのように過ごしているのでしょう。

笹ヶ峰ニホンザル調査についてはこちら。

初調査の2020年1月は、4名の調査員で豪雪の中を歩き回り、ドローンも飛ばして探しましたが、サルの痕跡すら発見できず。次こそは!と臨んだ2月の調査の、初日の出来事です。

犬山を朝出発し、名古屋、長野と乗り継いで妙高高原駅につくのは14:00過ぎ。そこからタクシー、雪上車を使って、調査拠点の笹ヶ峰京大ヒュッテに着くのは16:00近くになります。4日分の自分の荷物に加え、調査機材や山スキー、食料なども運ばなければいけないので、移動も楽じゃありません。ヒュッテに着いて一休みしたいところですが、今日は天気は落ち着いていて風も穏やか。短時間ですがドローンを飛ばせそうです。


一休みは後回しにして暗くなる前にドローンを飛ばしてみることに。

はじめのフライトは私が山の方に向かって飛ばし、森の中を慎重に捜索しましたが、何も見つけられず。次のフライトは鏡味さんが谷の方に向かって飛ばしました。沢を下り、開けたところで雪面をじっくりチェックしていると・・・

真っ白な雪面を何かが2つ、走っています!「サルだ!」という鏡味さん。でも1月の経験があるので、すぐには信じられません。「カモシカじゃない?」「いや群れならシカかも」などと話しているうちに、その動物は高低差がありそうな場所も難なく越えていきます。「サルだ!」。

そのときのドローンからの映像が、こちらです。

中央少し左手を、3頭が走っているのがわかりますでしょうか?実は調査終了後、犬山に帰って大きな画面で確認してみたところ、さらに左側にも最低3頭のサルがいるのを 星野さんが見つけました。毎日サルを見ている飼育員の目はスゴイです。みなさんは見つけられましたか?

このドローンでの発見が、2月の調査を充実したものにしてくれました。その後の報告はぜひ、笹ヶ峰ニホンザル調査のページでご覧ください。

なお、現在こちらのページにドローンを飛ばす鏡味さんの写真を掲載しています。
https://sites.google.com/view/jmc-fr2

実は個人のiPhoneで飛ばしているため、画面が小さく、サルを見つけるのがかなり難しいのです。「中古でもいいのでほしい物リスト」で、中古のiPadを募集しています。もし不要となったものがございましたら、ご支猿どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m

(学術部 キュレーター  赤見 理恵)

2020年3月31日更新
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