特別展のウラ話②:動物マップ
 今回は特別展で展示している園内の野生動物目撃情報についてのお話です。

 開催中の特別展『カモシカと犬山の野生動物』の中にある「園内でも見られる野生動物たち」のコーナーには、動物目撃マップが展示してあります。このマップは、主にスタッフの目撃情報をもとに作成したものです。目撃情報を集める際に写真や動画の提供もお願いしたところ、たくさんの写真や動画がよせられました。今回は、展示に出せなかった写真や動画の一部をご紹介します。
 マダガスカル館、Waoランド担当の市原が撮影したリスです。特別展では静止画で紹介していますが、もともとは動画です。わずか5秒の短い動画ですが、この一瞬の間によくカメラに収めることができたなと感心しました。



 アフリカセンター下の外周路で撮影されたイタチ。若い個体で、石垣をよじ登ったり、排水管から顔を出したりしています。
 南米館裏、スローロリス保全センター入口で見つかったアオダイショウ。飼育スタッフの武田が捕獲しました。

 虫かごに入っているのはアオダイショウの幼蛇です。ビジターセンターの中で“迷子”になっていました。




 この動物目撃マップは、2008年に開催した特別展『モンキーセンターをとりまく動物たち ~犬山の自然と野生動物~』で展示した動物目撃マップと比較して作成しました。2008年と今ではスタッフが変わっていますし、仕事中のスタッフの目撃情報なので、実際にいても見つかっていない動物もいるかもしれません。

 しかしながら、2つのマップを見比べると12年間でモンキーセンターの敷地内で見られる動物に少し変化が見られることがわかります。

 2008年の目撃情報では、それ以前にシカも見られたようですが、今回シカは目撃されませんでした。一方で2008年には情報がなかったイノシシが現れています。園内の目撃情報ではないので展示には書きませんでしたが、ここ2、3年の間にお隣のモンキーパークの敷地でカモシカが出たという情報もあります。

 犬山で見られる動物たちに変化が見られることは特別展の中で述べられていますが、今後も犬山の自然は移り変わっていくことでしょう。犬山だけではなくみなさんが住む町も同じだと思います。ときには、ご自身の身の回りの自然や動物たちに目を向けてみてください。
(学術部 エデュケーター  阪倉 若菜)

2020年8月30日更新
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