オンラインサロンが始まりました!

もうずいぶん前になりますが、幼児園に通う息子が「今度の発表会で『ひょっこりひょうたん島』の歌に合わせて踊るよ」と教えてくれました。その日から、家に帰ってきては「ひょうたん島の歌をかけて~」とせがみ、覚えたところまでを踊る、を繰り返します。踊りをすべて覚えた頃には「ここで移動して、〇〇くんと場所を変わる」などフォーメーションの説明を始めます。あんまり同じ歌を聞きすぎて、南米館の掃除中に、ちゃぷちゃぷ口ずさんだりしたこともありますが、大好きな息子の頑張る姿をイヤになるなんてことはなく、見ているうちに私自身、発表会が楽しみになりました。残念ながら当日は仕事で見に行くことはできませんでしたが、妻の撮影してくれた動画を見て、感極まって何度も息子を褒めたことを覚えています。

さて、ここで皆さまにお伝えしたいことは「うちの息子、ひょうたん島が踊れます!」ではなくて、「この動画を事前情報なしに見て、感極まるヒトは何人いるでしょう?」です。

多分、鏡味家の家族と踊りを教えてくれた先生くらいですよね。それ以外のヒトの感想は「子供がひょうたん島にあわせて踊っているね。」でしょう。中には「この子かわいいね。」と興味を持ってくださる方もいるかもしれませんが。

鏡味家のヒト(+先生)とそれ以外のヒトの違いは何かと考えると、その理由はふたつあると思っていて、ひとつは「息子を好きかどうか」だと思います。モンキーセンターのSNSによる情報発信はこの「発表会の動画」にあたると思っています。すでにセンターを好きな方には楽しんでいただけるよう努めています。が、それ以外のヒトは興味がないか、中にはこれを機に興味を持っていただけるか、というものですね。ただ、この「好きかどうか」だけでは「感極まる」とはならないような気がします。

そこで、ふたつ目の理由が重要で、それは「息子が頑張っていた過程を知っているかどうか」だと思います。普段、Twitterや飼育の部屋をはじめとするSNSでは「すでに終わったこと、すでに決まったこと」をお知らせしています。「〇〇が△△動物園に移動しました!」「◯月◯日にイベントを開催します!」などですね。これは過程ではなく結果なので、例えがクドイですが「突然見せられた発表会」です。これが、「△△動物園から移動の依頼が来ています!」「条件が整っているので、移動を決定しました!」「移動するのにこんな不安があります」「こんな対策をしました!」という過程を知っていたら「〇〇が△△動物園に移動しました!」という情報にも、ずいぶん違った感情を持ちませんか?「こんな面白そうなこと思いついた!」「でもこんなこと出来るのかなぁ」「誰か手伝ってくれませんか?」「なんとか出来ることになりました!」という情報を得てからの「◯月◯日にイベントを開催します!」であれば、普通にイベントの告知を受けとるよりずっとワクワクできそうです。

そんな思いがあって「過程を届ける」ということをやりたいなぁとは思っていたんですが、これがなかなか難しいのです。なにせSNSは世界中に情報発信しているわけですから、結末のわからないことをお届けするのは相当な神経を使います。センターのことが大好きな方たちにだけ届く「閉じたインターネット」のようなものがないかと探していたときに見つけたのが「オンラインサロン」でした。

この場所でなら、スタッフもSNSでは書けない過程を皆さまにお届けできるし、センターを大好きな方たちならきっと喜んでくださるだろう!といろいろ準備に取りかかりました。その結果、「Campfire」というプラットフォームが自分たちのやりたいことにマッチしていると考え、オンラインサロン『猿分補給』をスタートしました。

まだまだ不慣れなことも多く、至らないことも多々あるかと思いますが、飼育員一同楽しんでやっていますので『猿分補給』を応猿していただけましたら幸せです!

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(附属動物園部  鏡味 芳宏)
2021年4月19日更新
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