JMCの台所事情ご紹介
2016年以前は決まった品目を同じ量市場から購入し、毎日各班に振り分けて給餌をしていました。ですが来園者数も減ってきて色々なところで経費の削減が課題となっていました。(当時の年間飼料費は約2,000万円)

まず、第1弾として削減対象になったのはキャベツや白菜の葉物野菜です。どうしたかと言いますと、近隣のスーパーや八百屋さんの葉物野菜コーナー前にある外側の葉を数枚取って入れる箱、あれを廃棄してしまうのはもったいないので残してもらうようにお願いをし、いただきにいきました。その時おまけで売れ残った野菜がいただけることもありました。

第2弾は2017年度末、こちら発信ではなく企業からこのようなご連絡がありました。 「カットした野菜やフルーツの人が食べない部分なんですがサルたちは食べますか?」 返す答えは「もちろんです!」
カット野菜メーカーからはキャベツ、ニンジン、カボチャにゴボウ、カットフルーツメーカーからはパイナップルの芯やメロンの皮など。野菜はそのまま購入分と代替したり、基本メニューへの追加分として使ってもらったりしました 。パイナップルの芯やメロンの皮は、当時飼料費の多くを占めていたリンゴの一部と代替して各班で使ってもらいました。
(実はパイナップルやメロンの果肉部分は糖分が多いので、芯や皮の方が低糖分、高繊維質でサルたちにとっては健康的な飼料なんですよ。)

この頃からSNSや口コミで飼料の寄附が一般の方や農家さんにも広まりはじめ、季節の旬な食べものがいただけるようにもなり餌の品目数もグッと増えました。

そして 最近では、クラウドファンディングで飼料の長期保存できるよう冷蔵庫や冷凍庫を購入、Amazonのほしい物リストを利用することでさらにたくさんの方から支援していただくことができるようになりました。

このようにたくさんの方々にご支援いただくことでJMCの動物たちの食は守られています。
飼料に関わりだした当時の年間飼料費約2,000万円は、昨年2020年度は約1,300万円になりました。

今年2021年度がこれからどうなっていくのか、みなさま温かく見守ってください。



左のグラフは公益法人化以降の各月の飼料費、右のグラフは各年の年間飼料費と飼料品目数です。
(附属動物園部 飼料班  星野 智紀)

2021年9月30日更新
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