秋の獣医師の仕事
 獣医師の武田です。
 毎年10月と11月は遠足シーズンのためたくさんの団体が来猿します。昨年は新型コロナウイルスの影響で団体の数が少なかったのですが、今年は緊急事態宣言が解除されたこともありたくさんの団体が来てくださっています。

 ビジターセンターで行う団体向けのレクチャーは基本的に学術部のスタッフがするのですが、小学2年生に対するレクチャーには私も参加しています。

 小学2年生の国語の教科書に「どうぶつ園のじゅうい」というお話があり、横浜市にある動物園で働く獣医師の一日の仕事について書かれています。そのため犬山市近辺の小学2年生の団体が校外学習として来猿してくださることが多く、そのときは私が登場して教科書の内容に沿ってモンキーセンターの獣医師の一日の仕事の流れについて紹介しています。

 基本的にはスライドに載せた写真や動画を使って話すのですが、持ち運びができる範囲で実物も用います。
レクチャーでよく使っているのは、突然ケガの連絡が来るときに使う無線機、ヒトでもよく使う聴診器、注射が難しい動物に麻酔を打つための吹き矢の3つです。
 他にも乳鉢と薬の袋を見せて薬作りの説明をすることもあります。


 私は人前で話すことが得意ではないので小学2年生を相手に話すことがとても不安でしたが、真剣に画面を見る眼差しや純粋なリアクションを見ているうちに楽しく感じるようになってきました。

 後日、お礼のメッセージをいただくことがあり、そこには「いろんな話が聞けて楽しかった」「吹き矢の話が面白かった」「将来は獣医になりたい」などと書かれていてとても嬉しい気持ちになりました。

 秋はレクチャーだけでなく寒暖差が激しい季節でもあるため体調を崩す動物たちが多く忙しいシーズンではありますが、モンキーセンターの獣医師としてこれからも頑張っていこうと思います。
(附属動物園部 獣医師  武田 康祐)

2021年11月30日更新
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