特別展のウラ話④ ドローンを展示したい
 笹ヶ峰ニホンザル調査の特徴の一つは、ドローンを活用しておこなっていることです。実際のところ、雪や雨の日は飛ばすことができませんので、調査日程のうちドローンを飛ばせるのは限られた日になってしまいます。それでもいざ飛ばすと、いろいろな発見をもたらしてくれます。2020年2月の第2回集中調査で初めてサルを発見したのもドローンですし、サル本人を見つけられなくても、足跡を探すこともできます。

 このように活躍してくれているドローンの機体を展示したいと考えました。

ドローンの機体展示(写真の真ん中あたり)


ドローンから見た妙高山
 とは言え、調査で使用しているドローンを展示するのは少し不安です。もし破損があれば調査に支障が出ますし、調査に行っている最中はもちろん展示できません。定期的な試運転やメンテナンスもしにくくなってしまいます。

 そこで、ドローンを購入した「大須ドローンステーション」にご相談をしました。ここは大須商店街にある実店舗で、店内には実物展示のほか、実際に飛ばすことができる飛行スペースもあります。購入時のやりとりでは「ニホンザルの調査に使えるんですか!?」と興味を持ってくださり、私たちの調査のことをドローンの活用事例として展示会などでも紹介してくださっているそうです。ここなら、故障などで使えなくなったドローンなどを貸してもらえるかもしれません。

 ご相談をしてみると・・・なんと「モック」を貸していただけることになりました! モックというのは実物大模型のことで、携帯電話やカメラなどの販売店でもよく見かけるアレです。外観は本物と同じなのに、中身(?)が入っていないものです。 それでも展示用には十分です! モックだけでなく、スタイリッシュな展示台までつけて、送ってくださいました。

展示中のドローンのモックと展示台

 このモックは、特別展示室の左手奥のケース内に展示中です。大きさも質感も、私たちが使っているドローンと同じですので、ぜひじっくり眺めてみてください。意外と大きいと感じるでしょうか?これが自動制御しながら飛んでくれるのですから、すごいですよね。

 また展示の前には大須ドローンステーションのチラシも設置しています。ドローンに関心をお持ちの方はぜひ店舗にも足を運んでみてください。

(学術部 キュレーター  赤見 理恵)

2022年1月20日更新
関連キーワード:特別展、野外調査




大須ドローンステーションの前にて。購入時は感染拡大中だったので店舗には行かず、電話で説明を受け機体は送っていただきました。2021年12月の比較的落ち着いた時に店舗を訪問し、ドローン活用の可能性についていろいろ教えていただきました。