リスザルの島の群れ調整中
 リスザルの島では現在群れの調整をおこなっています。具体的にはリスザルの島で展示していた雌雄混合の群れのオスとメスを分けました 。
 もともとリスザルの島では、過去に他の個体に攻撃された経験のあるオス もできる限り放飼群れになじめるようにしようと取り組んできました。まずはオス同士で仲良くなってもらってからメスたちのいる群れに合流させていくという流れで進めた結果、島の中に放飼していたオス7頭とメス11頭の18頭の群れ(放飼群れ)と、その群れになかなかなじむことができずにいたオス4頭の群れ(オス群れ)となりました。そこから試行錯誤を重ねていましたが、この4頭が群れに入るのは難しそうでした。
 1月に入り、頭数が増えないようにするために繁殖制限をおこなうこととなり、繁殖ができない去勢済みのオスであるハッチと2021年に生まれたハズキの2頭だけを放飼群れに残し、ほかのオス5頭はオス群れに合流させる作業をはじめました。


ウズラ

ハッピー
 2018年生まれのハーゲンはオス群れと一緒にいても平気でしたが、ウズラとハッピーという 成長した2頭はオス群れ4頭が受け入れませんでした。
 私がこの2頭に出会った頃、ウズラは体が大きいけれども気弱な性格で、繁殖の時期になるとよくメスたちに怒られてはハッチに慰められていました。一方、ハッピーはその当時、まだやんちゃな時期で、年齢が下の個体とよく一緒に遊んだり、走り回ったりしていました。
 ところが、私がリスザルの島の担当から少し離れている間に、ハッピーは大人オスらしいがっしりとした体へと成長を遂げていて、とても驚きました。そしてウズラは相変わらず気弱で、よくハッチの近くにいる様子にどこか安心感のようなものを感じたことを覚えています。
 そんな2頭もオス群れの4頭と同じ群れにいて、ほかのオスたちと仲良くできるように頑張っていた時期もありました。しかし、ウズラとハッピーの2頭が放飼群れになじんだ後、何かのきっかけがあったらしく、現在はオス群れになじめない状態です。以前同居させる前には、短い時間のお見合いを何度も何度も重ねて、ようやく、オス同士の群れに入ることができていました。そのため、現在はケージ越しでのお見合いからはじめて群れの調整を進めています。
 今はまだオス4頭と同居すると攻撃されてしまいかねない状況 ですが、ウズラとハッピーが以前のようにオス群れになじめるようにこの後も調整を重ねていければと思います。
 本年も温かく見守ってくださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

(附属動物園部 リスザルの島担当  土性 亮賀)

2022年1月31日更新
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