リスザルの島のデッキがリニューアルしました!
皆様暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?リスザルの島担当の土性です。
今回は、ボリビアリスザルたちがひさしぶりにリスザルの島の中でのびのびと過ごした日のことをご報告したいと思います。

リスザルの島では長らく木製のデッキを使っておりましたが、防腐処理をしっかりと施されている枕木を含め、全体的に劣化が進んでおり、デッキには穴や段差が多く、子どもや車椅子での観覧が難しい状況でした。


そんな中、リスザルの島のデッキを改修し、社会福祉やバリアフリー、学習の場としての役割を充実させたいということで、宝くじの助成に申請しました。そしてこの春、採択との通知をいただきましたので、早速リスザルデッキのリニューアルプロジェクトを進めていました。工期は暑さで来園者が少ない夏。7月11日からリスザルの島を来園者が入場できないようにして、業者による工事を始めました。島の中の工事期間中は外にいろいろな工具を置いていたり、資材等の搬入で扉の開け閉めの回数が多くなったりするため、リスザルたちの島での放飼はせず、寝室の中で過ごしてもらっていました。工事が終了した8月13日から皆様に新しいデッキからリスザルたちをご覧いただけるようになりました。


そのためリスザルたちがひさしぶりに外に出たのはリスザルの島のオープンの少し前、前日の12日のことでした。島の中のセミも大合唱を奏でる中、リスザルたちの寝室の扉を開けると、13頭がそろりそろりと出てきて、少し移動したら高い声で鳴き、また少し移動したら高い声で鳴き、「キゥーイ」「キゥーイ」とコミュニケーションを取り合い、ひさしぶりに出た島の中の安全チェックを念入りにしていたのが印象的でした。

特にいつも走ってどこかへ行く子どもたちもこの日だけはゆっくりゆっくりと動いていました。放飼した13頭がひさしぶりの場所に警戒しているのがとてもよくわかる行動で、餌などはそっちのけでまずはいろいろな場所にちょっとずつ散開していっていました。そうして長いようで短いセミとリスザルの大合唱が10分ほど続いたころ……だんだんとセミの鳴き声が減っていき、『あぁ、安全チェックが終わって、セミを食べ始めたんだなぁ』としみじみ感じていました。
そんなリスザルたちも現在では、以前と同様の勢いでリスザルの島の中に飛び出していくようになりました。

みなさまのこれまでのご支援やご協力をもとに、宝くじの助成金を得ることができ、ここまでの改修に至ることができました。本当にありがとうございます。

(附属動物園部 リスザルの島担当  土性 亮賀)

2022年9月12日更新
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