楽しめるイベントの開催を目指して
 先日、大人と子供合わせて20名ほどの団体の方々がご来園されました。事前に申し 込みいただいた際、「リスザルの島でエンリッチメント体験」をぜひおこないたいとのご 意向があり、私が対応いたしました。
 エンリッチメント体験なので、ただおやつをつくってあげるのではなく、リスザルたちが 頭や体を使い、時間をかけながらエサを食べられるようにフィーダーをつくってもらう内 容としました。
 フィーダーは2種類用意しました。1つは木の棒に穴を開け、中にエサを詰め、指でかき出しながら少しずつ食べる「ほじくれバー」。もう1つは竹に穴をあけ、中にエサを入れ、揺らすと少しずつエサが出てくる「ゆらせバー」。
 穴を開ける位置や大きさ、中に詰めたり、入れたりするエサは用意したものの中から自由 に選んでもらうようにしたところ、参加者の方々はどうやったら食べるか、何を入れたら 食いつくか、などを想像しながら一生懸命つくってくださいました。打ち合わせ当初、子供たちが作成して大人がフォローする予定でしたが、思いのほか、大 人たちも真剣に悩んでいたように思います。

 完成したフィーダーを、実際にリスザルの島のロープや枝に設置し、食べる様子を観察し ていただきました。子供たちだけでなく、大人の方々も驚きや感心しながら観察していた だけたようです。


 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、来園者が参加できるイベントは中止や縮小、開催方法の変更をしておりましたが、このエンリッチメント体験を目の前にし、色々な作業や経験をとおして体験できるイベントはきっと子供も大人も楽しいものなんだと参加者 の方々の顔を見て改めて実感しました。また、飼育員だけでおこなうものよりもバリエーションが増え、動物たちにとっても良い刺激になっているように感じました。
 9月より園内のイベントも少しずつ再開していく予定です。来園者の方々に楽しんでもらいながら動物たちの魅力が伝えられるイベントを実施していきたいと思います。

(附属動物園部 リスザルの島担当  荒木 謙太)

2023年8月25日更新
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