飼育員1年目の経験
 飼育員2年目になりました、キツネザル担当の川﨑です。
 サポーターページへの投稿は初めてなので、みなさまに何を伝えたいかを長い時間をかけて悩みました。今回は、日本モンキーセンターの飼育員として過ごした1年間で経験したことの中から、これから飼育員として忘れることのない経験をお伝えしようと思います。
 10月17日、日本モンキーセンターが設立された日に開催される慰霊祭は、これまでに日本モンキーセンターで亡くなった動物たちを偲ぶため毎年開催されています。昨年の創立67周年の動物慰霊祭にて、飼育員代表として飼育を担当していたワオキツネザルのレイコさんに宛てた手紙を読ませていただきました。
 レイコさんは日本モンキーセンターで飼育しているワオキツネザルのほとんどの個体と血のつながりがあります。たくさんの子孫を残してくれたレイコさんは、多臓器不全のため32歳で亡くなりました。ワオキツネザルの飼育下での平均寿命は、25~30歳といわれているなか、かなりご長寿でした。
 こちらは、レイコさんに宛てた手紙の最後の部分です。

 飼育員として動物の体調を管理するためには、「いつもと違う」に気づくことが大切です。その大切さを教えてくれたのは、レイコさんでした。
 「いつもと違う」に気づくことで、視力低下が進行している個体が生活していく中での負担を少しでも軽減することや、群れの関係性が悪化していることにいち早く気づきケガを防ぐことなど、飼育員として成長することができました。
 まだまだ飼育員として未熟ではありますが、今の自分が動物たちのためにできることに全力を注ぎ、経験を重ねて日々成長していきたいと思います。
 

(附属動物園部 Waoランド・マダガスカル館担当 川﨑 千穂)

2024年5月28日更新
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