シロガオオマキザルの赤ちゃん“ツツジ”のご紹介
 日本モンキーセンターで“シロガオ”といえば、シロガオサキの『モップくん』が有名ですが、南米館にはシロガオオマキザルもいるんですよ。4月23日に赤ちゃんが誕生しました。モンキーセンターでは実に18年ぶりの赤ちゃんです。オマキザルの赤ちゃんを初めて見 るスタッフも多くいます。当園では、出産を最初に発見したスタッフが、名前を付けられるという暗黙のルールがあります。今回、赤ちゃんを最初に見つけたのは高田さんで、母親ニコールから生まれた赤ちゃんはツツジが綺麗に咲く時期でしたので『ツツジ』と命名されました。

 ニコールは初産でしたので、私たちも毎日がドキドキの連続でした。授乳が上手に出来ていない場合、3日程度で赤ちゃんは体調を崩します。ずっと背中に居るので、授乳ができているかの確認が難しかったです。観察していると、朝一番と夕方に母親の胸側に顔を回し授乳を確認できました。また、生まれた当日から母親の背中にしがみつき、母親が激しく動き回るのに落ちることなく掴まっており、すっごい根性のある赤ちゃんでした。私たちスタッフは頭を打たないか心配でした。頭を打っていたら1週間で体に異変が表れます。万が一に備えて人工哺育や介添え哺育の準備もしました。

 私たちが人工哺育や介添え哺育をするとき、もちろん健康な状態での発育を一番に考えますが、その個体が群れに戻れるかなど将来のことも考えます。出産を発見してからの準備には、そういった一面もあるんですよ。

 生後2週間の頃に、他個体から毛繕いをしてもらっている所を観察できました。生後1ヶ月になると、母親が食べているものに興味を示すようになりました。最近の写真をご覧ください。




 初めてカメラ目線を撮影出来ました。
 まるで遊びに誘っているように見えます。

 はー、心掴まれるわー。
 歯が生え始めたかな?舌をペロペロしていると思います。ですので、自然にこの表情。
 まだツツジが母親から離れているところは観察していませんが、これからドンドン成長していくと思います。目が離せない日々の連続です。オマキザル特有の鳴き声で、群れと呼び交わす日はいつ来るでしょう。とっても楽しみです。

 観察中は、しっかりと母親にしがみついているため性別の確認をするのが難しいですが、多分ツツジは男の子だと思われます。南米の霊長類の幼少期の性判別は特に難しいので、確定したら改めてxポスト等SNSで発信してまいります。みなさまも園内でツツジを観察して何か発見したら、ぜひ私たちに教えてください。ツツジトークで盛り上がりましょう。

(附属動物園部 南米館担当  坂口 真悟)

2024年6月30日更新
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