野生ヤクシマザルのエピソード② 特徴的な顔のフランキー
屋久島2日目の11月23日。7:30ごろ、西部林道に近い永田という集落にある日本モンキーセンター屋久島研修所を出発して西部林道へ。
7:57、道路上に群れを発見。コドモが2頭ガードレールの下で遊んでいますが、オトナメスが人を見るとそそくさと去るので、この群れは追わないことに。
その後、もう1群見つけますが、この群れも追跡が難しい崖の方に行ってしまって見送ります。
今日は丸1日群れを追跡観察する予定なのに、観察しやすい群れに出会えません。
8:48、西部林道の端に近いところまで行き、景色でも見て引き返すかと車を停め、そびえ立つ花崗岩の一枚岩や希少なヤクタネゴヨウを眺めていると・・・
7:57、道路上に群れを発見。コドモが2頭ガードレールの下で遊んでいますが、オトナメスが人を見るとそそくさと去るので、この群れは追わないことに。
その後、もう1群見つけますが、この群れも追跡が難しい崖の方に行ってしまって見送ります。
今日は丸1日群れを追跡観察する予定なのに、観察しやすい群れに出会えません。
8:48、西部林道の端に近いところまで行き、景色でも見て引き返すかと車を停め、そびえ立つ花崗岩の一枚岩や希少なヤクタネゴヨウを眺めていると・・・
すぐ左手の道路脇の土手から、ぬるっとヤクシマザルが現れました。
道路が切り通しのようになっていて、サルが現れたのはちょうど目の高さくらいの土手の上。
こちらはあまりの近さにびっくりして、急いで後ずさりして距離を取りますが、サルの方はまったく人を気にする様子もなく、黄土色の土が露出した部分を熱心に掘って土を食べ始めました。
同じ斜面からは次から次へとサルが現れ、土を掘ったり道路に寝そべったり。私たちは一瞬で群れに囲まれたのでした。
道路が切り通しのようになっていて、サルが現れたのはちょうど目の高さくらいの土手の上。
こちらはあまりの近さにびっくりして、急いで後ずさりして距離を取りますが、サルの方はまったく人を気にする様子もなく、黄土色の土が露出した部分を熱心に掘って土を食べ始めました。
同じ斜面からは次から次へとサルが現れ、土を掘ったり道路に寝そべったり。私たちは一瞬で群れに囲まれたのでした。
ぬるっと現れたサル。左手前が道路。
土を掘っている集団の中に、ひときわ大きなサルがいます。群れの中心的なオスのようです。
ふと振り向いたタイミングで写真を撮ると、鼻の上に小さな穴が開いてます。
あ、もしかして知っている群れかもしれない。このオスは、アナオだっけ、ハナオだっけ・・・
ふと振り向いたタイミングで写真を撮ると、鼻の上に小さな穴が開いてます。
あ、もしかして知っている群れかもしれない。このオスは、アナオだっけ、ハナオだっけ・・・
振り向いたハナオ
知っている群れだとしたら、もっと特徴的なサルがいるはずです。
道路上のサルにも目を向け探していると、ガードレールの裏側にいた大きめなサルが、ひょこっと顔をのぞかせました。
この顔!この鼻! フランキーです。
鼻にケガの痕があるサルはけっこういますが、こんな特徴的な形のサルはフランキーだけでしょう。ネーミングセンスも抜群ですぐに覚えられます。
道路上のサルにも目を向け探していると、ガードレールの裏側にいた大きめなサルが、ひょこっと顔をのぞかせました。
この顔!この鼻! フランキーです。
鼻にケガの痕があるサルはけっこういますが、こんな特徴的な形のサルはフランキーだけでしょう。ネーミングセンスも抜群ですぐに覚えられます。
ひょっこり顔を出したフランキー
ハナオ、フランキーがいるということは、この群れはミッフィー群です。
ということは・・・いましたいました。4頭のグルーミング集団の中にミッフィーが。
ミッフィーは、上唇のケガの痕がまるで絵本のミッフィーのように×型に見えることから、この名が付きました。
ミッフィーが熱心にグルーミングをしているのは、2022年に生まれたコドモ、マイ♀です。
ミッフィーのとなりで、同い年のコドモをグルーミングしているのは、左足の親指が曲がっている特徴から、ミッフィーの母親のマザーだとわかります。マザーのコドモはモルガ♀です。
ということは・・・いましたいました。4頭のグルーミング集団の中にミッフィーが。
ミッフィーは、上唇のケガの痕がまるで絵本のミッフィーのように×型に見えることから、この名が付きました。
ミッフィーが熱心にグルーミングをしているのは、2022年に生まれたコドモ、マイ♀です。
ミッフィーのとなりで、同い年のコドモをグルーミングしているのは、左足の親指が曲がっている特徴から、ミッフィーの母親のマザーだとわかります。マザーのコドモはモルガ♀です。
ミッフィー
左からマイ、ミッフィー、マザー、モルガ
こうやって母子関係や年齢がわかってくると、サルへの理解も(そして親近感も)ぐっと高まります。
動物園でも野猿公苑でもない屋久島で、こんなにも群れや個体が識別されているのは、長年にわたって屋久島で観察、研究してきた多くの研究者の努力の積み重ねのおかげです。
では、ミッフィー群の個体識別表を手に、群れを追ってみることにしましょう。
次のエピソードをお楽しみに!
(学術部 キュレーター 赤見理恵)
動物園でも野猿公苑でもない屋久島で、こんなにも群れや個体が識別されているのは、長年にわたって屋久島で観察、研究してきた多くの研究者の努力の積み重ねのおかげです。
では、ミッフィー群の個体識別表を手に、群れを追ってみることにしましょう。
次のエピソードをお楽しみに!
(学術部 キュレーター 赤見理恵)
2025年1月28日更新
関連キーワード:屋久島、個体識別、ヤクシマザル
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