バーバリーマカク クオンの奮闘記

現在、アフリカ館では17頭のバーバリーマカクが4つの群れでくらしています。その中にオスのクオン(6歳)という個体がいます。クオンは人工哺育で育ち、その後も長い間非公開の施設に1頭だけでくらしていました。 しかし、バーバリーマカクは本来群れでくらしています。 そこで、ほかの個体と一緒にくらしてもらうために昨年の11月にアフリカ館へ引っ越して来ました。

そして、群れでの生活を知っている優しいオスのジェット(12歳)とお見合いを開始しました。 戸惑っているクオンとは対照的に、ジェットは騒がず落ち着いていました。このままどっしり構えてクオンを受け入れてくれることを期待しています。 クオンにとっては新しい環境の中、何もかもが怖くて、最初は寝室から運動場へ出ることすらできませんでした。運動場に出るのに6日もかかり、地面に降りられたのは、それから1ヶ月後。 あの日、恐る恐るですが初めて地面に降り立った、あのときのクオンの勇気、降りた後のちょっぴり嬉しそうな顔。忘れられません。ここまでくるのにとても時間がかかりました。 少しずつだけど、クオンのペースで一歩ずつ。できないことができるようになっていく、彼の頑張っている姿に、胸が熱くなります。 そして、まもなくジェットと一緒に生活をしてもらう予定です。いつかクオンが、仲間とくらすことって楽しいんだな、と心から思ってもらえるその日まで、私たちも一緒に頑張っていきます。
(附属動物園部 アフリカ館担当  奥村 太基)
2017年6月10日更新
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