「いちばん」の資料

骨、内臓や脳、毛皮、剥製、本、民俗資料(サルグッズ)・・・ モンキーセンターが保管する多くの資料の中で「いちばん」の資料、と聞いてどんなもの を思い浮かべますか?

一番大きなもの。それはビジターセンターのゴリラのはく製でしょう。
一番貴重なもの。これは難しいです。どれもが世界に1つだけです。

今回ご紹介するのは登録番号が「1番」の資料です。 コレクションの始まりの資料、ともいえるかもしれません。

左から霊長類標本の「1番」(Pr0001)、はく製標本の「1番」(P-S-0001)、民俗資料の「1番」(eb0001)

霊長類の標本の「1番」は1959年のシロテテナガザルの骨格です。 当時の記録をみると、解剖所見や死亡前におこなわれた治療について細かく書かれていま す。 センターができた直後から、モノと情報、両方が重要だという認識の下で資料の収集 が進められていたのでしょう。

はく製の「1番」はカオムラサキラングールという今はセンターにいない種です。1962年 にはく製として登録されたとあります。

民俗資料の「1番」は宇都宮で作られたサルのお面です(素材はかんぴょう(夕顔の実) です)。

普段はこれらの資料は非公開のバックヤードの資料室に保管されています。 テナガザルの標本は特別展で展示したことがありますが、他の2点をご覧になったことが ある方は少ないのではないでしょうか。

現在、霊長類標本は6500番、はく製は270番、民俗資料は5000番を超える番号が付けられ 、膨大なコレクションとなっています。 センター60年の歴史の重み、そして資料に対する代々のスタッフの熱意を感じさせてくれ ます。
(学術部 キュレーター 新宅 勇太)


2017年7月25日更新
関連キーワード:動物園、珍しい、調査研究