江戸とリスザルたち
 初めましての方もいるかもしれませんのでまずは自己紹介をさせていただきます。
 現在、リスザルの島と非公開施設であるニホンザルの丘を担当している江戸と申します。うまれは北海道で、一年を通して比較的涼しく過ごしやすい環境でぬくぬく過ごしてきました。そのため、夏に近づくにつれて犬山の暑さに驚かされています。
 小さい頃から動物が好きで、観察をしたり、動物の絵を描いたりするのも好きでした。母親が風邪で寝込んでいる時に元気になってもらおうとマレーバクやエゾリスなどを描いてはプレゼントして母親の涙腺を崩壊させていました。また、小学校から高校まで野球もやっており体力や筋力にはそれなりに自信があります。モンキーセンターでも活かせるものを探して奮闘中です!
 早いもので入社してから半年が経ちました。まだ慣れないところも多いですが、日々自分なりに動物たちのために何かできないかと試行錯誤しています。そのうちの一つとして現在おこなっているのが、リスザルの島でくらすボリビアリスザルの給餌内容の変更です。具体的には、今まで果物が多く取り入れられていた給餌内容から食物繊維やタンパク質の多い野菜中心のメニューに変更することで、糞便や体格、毛艶、歯の状態の改善などにより健康維持に繋がるのではないかと思い取り組んでいます。



以前までの給餌内容


改善中の給餌内容

 虫を食べているイメージの強いリスザルですが、野生では虫だけでなく果実などもよく食べています。ただ自然に生えている果実は我々が普段食べているような甘いフルーツのようなものではなく、もっと繊維質で糖質も低く、どちらかというと野菜に近いようなものが多いです。そのため、リスザルの島で飼育している個体にも本来野生で食べているものになるべく近いものを与えることで健康状態の維持や病気にかかるリスクなどを減らせるのではないかと思います。
 また、与えている野菜のレパートリーも増やし、今まで与えたことのなかったブロッコリーやピーマン、ゴボウ、大豆なども新たに導入しています。今まで見たことや口にしたことがなかったものにチャレンジすることで個体にとって新しい刺激になったり日々違うものを与えることにより好きなものばかりを食べて栄養が偏ることも防ぐことができます。ちなみに、最近の発見ではどの個体もピーマンをよく食べます。 


 このような取り組みはすぐに結果が出るものではなく、慎重に変化を加えていく必要があるため、まだ目に見える変化は少ないですが、ゆっくりとリスザルたちのペースに合わせながら今後も取り組んでいきたいと思っています。
(飼育部 リスザルの島担当  江戸 暢章)

2025年7月31日更新
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