アビシニアコロブスのエサの内容改善への道のり
 2024年、2025年と立て続けに2頭ずつアビシニアコロブスのコドモが誕生し、現在ま で健やかに成長しています。彼らの成長や寿命にかかわる要因の1つであるエサの内容は、飼育員として改善できる数少ない点ではないかと思い立ち、先輩飼育員の指導の下、AZA(米国動物園・水族館協会)の飼育マニュアルを参考にエサの内容の改善に踏み切りました。まずはこれまで与えていたエサの内容を見直しました。AZAのエサの内容では圧倒的に果菜類の量と種類が多く、ほかは葉野菜と根菜、サル用ペレットで構成されていました。果物も取り入れられている場合もありましたが、1日の割合はわずか5パーセントくらいでした。また、当園で与えているエサに比べてAZAのものはカロリーが若干高いデータがありました。

 現状の当園のアビシニアコロブスのエサの内容は果物と根菜類がかなりの割合を占めています。その他、園内で採取した枝葉を1日4回与えています。なかなか品目数の増加や、量を安定的に確保することが難しいなか、ご寄附でいただいている野菜は大変ありがたいです。今後は果実、根菜の量を減らし、ブロッコリーやナス、葉野菜の種類と量を増やしカロリーを微増させていきたいと思っています。現在アビシニアコロブスのエサの内容の改善はまだ途中です。今までなれ親しんで食べてきたエサを急激に変えてしまうと、体調不良になってしまう場合があるため、個体の様子を観察しながら段階的に進めていく予定です。

 エサの内容の改善を本格的に始めようと思ったのはラテという個体がきっかけでした。ラテは18歳で亡くなりました。死因は肺膿瘍、腎膿瘍による敗血症でした。ラテの死因とエサの内容が直接的に関係する訳ではありませんが、度重なる体調不良、エサを食べたり食べなくなったり、日々のエサやりにとても気をつかいました。また、話は少し変わるのですが過去から遡り、モンキーセンターで飼育したアビシニアコロブスの死亡時の年齢が18歳を超えたことがほとんどないことも分かりました。この死亡年齢とエサの因果関係についてもはっきりとしたことは言えないのですが、アビシニアコロブスたちの生活や寿命に日々のエサの内容は、影響を与えるものと考えられるので少しずつではありますが改善をおこなっていきたいです。

(飼育部 新アフリカ館 原野と森の家担当  武田 直子)

2026年4月20日更新
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