野生ヤクシマザルのエピソード④ フランキーとの再会
タイミングを逸してしまいましたが、2025年12月の屋久島でのエピソードをご紹介します。

2024年11月に出会ったヤクシマザルのオス、フランキー。(過去の記事参照) ヤクシマザルも含め、ニホンザルのオスは同じ群れに長居せず、3年程度で群れを出ていくと言われています。フランキーはここ数年ミッフィー群にいるので、そろそろいなくなっているかもしれません。でも幸いなことに、今回も会うことができました。
2025年12月6日。屋久島滞在3日目のこと。この日は群れの追跡観察をすると決めていました。
7:10に屋久島研修所を出発し、さっそく7:30サル発見。道路脇でクサギの花を食べています。道が狭いのでこの群れは見送り、7:40、知っている顔のサルがいる群れを発見。
左目が開かないサヨリというメスがいる群れ、ハヤセ群です。カラスザンショウやモクタチバナ、マテバシイなどを食べる様子を観察し、食痕標本もサンプリング(許可を得ています!)。しかし急な崖を降りて行ってしまい観察終了。

左目が開かないサヨリ。0才の子を抱えていた。

9:31、道路に広がり毛づくろいをする群れを発見。駐車できる場所まで車を走らせようと群れの脇をそっと通り過ぎた瞬間、あ、この顔。フランキーです!
運転席から急いで撮ったら失敗・・・
9:39、安全なところに車を停めて戻ると、群れは同じ場所でまったり。フランキーもほぼ同じ場所にいました。毛づくろいされながらまどろんでいます。
道路脇でまどろむフランキー
この季節、ヤクシマザルはまだ交尾期真っ最中で、少なくとも2つのカップルが群れの中でコンソートを作っています。そんな中、荒ぶるフランキー。
※コンソートとは、交尾期にオスとメスのカップルが一時的に連れ添って行動することです。
尾を立てて群れの中を歩く。まわりがみなフランキーの動向に注視。
群れの中を毛を逆立てて歩く。右のメスは歯を見せてグリメスの表情。
結局、マザーたちのグルーミンググループに加わって落ち着きました。
フランキーの右側で、子どものモルガ(たぶん)に毛づくろいをしているのがマザー。ミッフィーの母親です。
オスは群れに長くいると、親しいメスは増えますが、交尾相手には選ばれにくくなるそうです。もしかしたらフランキーもそんな立場なのかもしれません。来年はミッフィー群で会えないかも。
でも、これだけ特徴的な顔のフランキーです。違う群れで出会ってもきっとわかるはず。
生まれた群れに一生留まるメスと違い、群れを渡り歩くオスのくらしは、まだわかっていないことがたくさんあります。屋久島では個体識別されたオスもかなりいるうえ、研究者がさまざまなテーマで観察し、個体情報を共有・蓄積していますので、オスの移出入の記録がかなりあります。貴重な調査地だな~と改めて実感しました。

さてさて、群れの名前の由来にもなっているミッフィーですが、実はこの集団には見当たりませんでした。フランキーたちを11:00ごろまで観察し、11:15、300mほど移動したところでもう一つの集団を発見。ミッフィーはこちらにいました。左手の薬指が曲がらないという特徴があるオスと、コンソートをしていました。ミッフィーの子、マイは2022年生まれ。この交尾期に次の子どもを身ごもるのでしょう。
オスに毛づくろいされるミッフィー
このあと、ミッフィーがクスノキの葉を採食している様子は、以下のYouTube動画で紹介しました。

2026年12月も屋久島を訪れる予定です。知っている顔にまた会えるといいな。

(学術部 エデュケーター 赤見理恵)

野生ヤクシマザルのエピソード
過去の記事はこちらから。
① クスノキの葉を食べる
② 特徴的な顔のフランキー
③ 外国人との攻防?


2026年9月15日更新
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