特別展主担当者奮闘記 お絵かきチャレンジその2
チンパンジーのマリリンにお絵かきにチャレンジしてもらったお話をしましたが、チャレンジしたのはマリリンだけではありません。ゴリラのタロウも絵を描いてくれるのではないかと考えていました。写生大会の時期に子どもたちがタロウの前で絵を描いていると、その様子をよく見ていると聞いていたことと、手先が器用なことから、ひょっとしたら描くことができるのではないかと思ったのでした。ところが、画材に興味を持ちはしましたが、紙は破かれ、みつろうクレヨンはかじられてボロボロになってしまいました。



ほかにもギニアヒヒのギネもお絵かきに挑戦しました。飼育担当者が「ギネさんは細かい作業がけっこう得意だよ」と教えてくれたからです。また、わたし個人が大型類人猿以外の霊長類がどのような反応をするのか興味もありました。結果、ギネはクレヨンをほんの少しかじったあとは、とくに画材に興味を示すことはありませんでした。画材以上に、観察していたわたしのことが気になったようで、こちらをチラチラ見たり、わたしに何度も挨拶をしてくれたりしました。
ちなみに、タロウもギネも赤いクレヨンに対しては手に取ったりかじったりとそれなりに興味を示していましたが、ほかの色のクレヨンにはあまり関心がないようでした。 現在、特別展「PrimArt 霊長類アート展」では、タロウやギネが使用した画材も展示しています。それらを見て彼らがどんな風に画材と向き合っていたか、想像してみてください。

これからも会期中にさまざまな個体にお絵かきにチャレンジしてもらって、作品を更新していく予定です。チンパンジーのマモルにも一度描いてもらいたいな、と考えているところです。チャレンジの結果は成功でも失敗でも展示しますので、一度のぞいてみてくださいね。

(学術部 エデュケーター  阪倉 若菜)
2018年4月26日更新
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