特別展主担当者奮闘記 並べるだけで一苦労

園内の動物たちがお絵かきにチャレンジしてくれた少しあと、京都大学に保管されていた園外の動物たちの作品がモンキーセンターにやってきました。展示物がそろい、じゃあ展示してみよう、と作品を並べてみました。

しかし、この時点で当初私が思い描いていたとおりに展示することができませんでした。借りた作品を並べるだけでかなりのスペースを使ってしまい、解説パネルやモンキーセンターの動物たちの作品を展示する場所がほとんどなくなってしまいました。そのため最初は、作品と作品の間をあまりあけずに、ぎゅうぎゅう詰めの状態で全ての作品を並べていました。

準備中。最初に展示をしてみたときはかなりぎゅうぎゅう詰めでした。

そんな中、今回の特別展の監修をしてくださっていた京都造形芸術大学の齋藤亜矢先生と、あいちトリエンナーレ2013の目玉展示「ウルトラ・サン・チャイルド」の作者であるヤノベケンジ先生が所用でモンキーセンターに来園され、準備中の展示を見てくださいました。


作品を見るヤノベケンジ先生。 「すごくインパクトがありますね」と作品へのコ メントもいただきました。


おふたりに一通り展示を見ていただいた後、「一気にすべての作品を展示しなくて もいいのでは?会期中の作品の入れ替えは美術館でもやっているし、作品と作品の間をきちんととった方が空間は締まるよ」とアドバイスをいただきました。

そのアドバイスを受けて、すべての作品を一気に展示することはやめて、会期中に作品の入れ替えをすることにしました。他にもたくさんアドバイスをいただき、今の形の展示ができあがりました。最初に私が思い描いていた展示の仕方とはかなり異なっていますが、ぐっと見栄えが良くなったので、この展示方法にしてよかったと思っています。

完成した展示の一角。空間に余裕ができ、美術館!って感じになりました。

園内スタッフはもちろん、齋藤先生やヤノベ先生のような園外の方にもたくさん助けてもらって、素晴らしい特別展「PrimArt 霊長類アート展」ができあがりました。
特別展主担当者をやってみて、展示をあーでもないこーでもないと並べ替えては悩んだり、解説パネルの文章がうまく書けなくて頭が痛くなったりと本当に大変でしたが、同時にとてもわくわくする経験でした。この記事を見てくださった皆さまが特別展を見て楽しんでくださったら、主担当者としてとても嬉しいです。

(学術部 エデュケーター  阪倉 若菜)
2018年5月10日更新
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