こんなものまで資料??

 民俗資料を整理していると、たびたび担当者ですら驚くようなものが出てきます。このサポーター専用ページのコラムでも以前、桃山時代の三猿などをご紹介しました(こちらの記事)。そして先日整理していて出てきたのが写真の資料です。


eb-3800 チンパンジーモデルチョコレート

eb-2709 金猴好糖

 飴やチョコレートといったお菓子です。当然,食品は時がたてば劣化してしまいますし、それがカビや虫のエサとなって他の資料をいためる可能性があります。ですから容器や包装紙といったパッケージの部分だけが資料となり、中身はとっておかないのが普通です。ところがなんと、これらの資料には中身がちゃんと入っています。一点だけ、変質してまったく原型をとどめていなかったため、廃棄したものもありましたが、他のものはパッケージの部分的な汚損はありましたが、カビなどはなさそうでした。これらは個々にジッパー付きのビニール袋に入れて保管するようにしたので、この資料からカビや虫が広がる、とはならないはずです。

 民俗資料を竹製品、木彫、人形・玩具などのカテゴリー別に分けた表を改めてみると、「飴菓子」や「雑菓子」といったカテゴリーがあります。「包装・ラベル・容器」というカテゴリーは別にありますから、中身まであるものが「飴菓子」に登録されている、と考えられます。一方で同じ「飴菓子」のカテゴリーには、飴細工を粘土で再現した模造品もありました。資料のカテゴリー分けも見直しが必要そうです。

「サルであれば何でもあり」というとてもバラエティーに富んだ品々が集まるのがモンキーセンターの民俗資料の特徴ですが、それにしてもこんなものまで、と改めて驚かされました。そして整理をすればするほど、いろんな課題も見えてきます。いかに使いやすく整理し、きちんと管理できるようにするか。まだやるべきことは多そうです。

(学術部 キュレーター  新宅 勇太)

2018年7月27日更新
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