ロベケ国立公園プロジェクトの挑戦


国際保全事業部の岡安です。

3月下旬から、日本モンキーセンターが保全活動を支援する、カメルーン、ロベケ国立公園にやってきました。WWFジャパン時代から、通算8度目の訪問になります。

今回の目的は、過去3年試みた、ゴリラ・エコツアー用人づけの“傾向と対策”。

アフリカ中部、コンゴ盆地に広がる熱帯雨林は、3種の大型類人猿(ゴリラ・チンパンジー・ボノボ)の大事なすみかであり、私たち人間が出てきた進化のふるさとでもあります。その森を守るために、ゴリラやチンパンジーを人間に慣らし、ツーリストに野生の暮らしを観せることで現金収入を確保し、地域住民の生活向上に貢献する手法は、いまや自然保護の王道として認識されるまでになりました。

でも実際に、この「類人猿ツアー」が商業ベースで成り立っているのは、ルワンダやウガンダ、あるいはタンザニアといった、アフリカでも東部の観光産業が盛んな国々に限られています。ロベケ国立公園のあるカメルーンや周辺諸国では、まだまだやっと端に着いたばかり。

しかしそれでも、将来の成長を期待して、ゴリラやチンパンジーを慣らしてエコツアーをしたいという地域は増えています。カメルーンでも、南西の赤道ギニアに国境を接するカンポ・マアン保護区そしてロベケで、数年前からゴリラの人づけが開始されました。

かくいうロベケの人づけは、もともとコンゴ共和国やガボンでゴリラのプロジェクトに関わっていた私が、現地WWFに頼まれて一緒に計画づくりをしたものです。近年、アフリカ中部地域でも、慣れたゴリラのグループが各地で増えていますから、その分、エコツアー競争も激しくなる可能性があります。そんな中、ひと味違うゴリラツアーを企画するには、何が必要かを、3年かけて練ってきました。

今日から、具体的に人づけを予定している地域を回って、現状把握と今後の計画づくりにとりかかります。さあ、今回はどんなグループに会えるでしょう!ワクワクです!!

調査の様子は、新しく開設された日本モンキーセンター友の会の、サポーターページなどでもご報告していきます。どうぞよろしくお願いいたします。